「古物商許可があれば安心」は間違い?不要品回収に必要な許可をわかりやすく解説
不要品回収業者を探していると、ホームページに「古物商許可取得済み」「産業廃棄物収集運搬業許可取得済み」と書かれていることがあります。
許可番号まで掲載されていれば、「きちんと許可を持っている会社だから、家庭の不要品も全部任せられる」と感じるかもしれません。
ところが、ここで確認したいのが**「何の許可を持っているのか」**です。
古物商許可、産業廃棄物処理業の許可、一般廃棄物収集運搬業の許可は、それぞれ役割が異なります。
環境省も、家庭から出る廃棄物を回収するには市区町村の一般廃棄物収集運搬業の許可や委託が必要であり、産業廃棄物処理業の許可や古物商許可では、家庭の廃棄物を回収できないと案内しています。
この記事では、不要品回収・遺品整理・出張買取などに携わる家財の相談窓口®が、それぞれの許可の違いと、業者を選ぶ際に確認したいポイントを分かりやすく解説します。
この記事を読むための時間:3分
「古物商許可があれば安心」は間違い?不要品回収に必要な許可をわかりやすく解説
古物商・産廃・一般廃棄物は何が違う?
まず、よく目にする3つを整理してみましょう。
| 種類 | 主な役割 |
|---|---|
| 古物商許可 | 中古品などの売買・交換 |
| 産業廃棄物処理業の許可 | 対象となる事業活動から出る産業廃棄物の処理 |
| 一般廃棄物処理業の許可 | 家庭ごみなど一般廃棄物の収集・運搬、処分など |
名前だけを見ると似ていますが、できることは同じではありません。
特に誤解しやすいのが、「古物商許可を持っている会社なら、家庭のごみも回収できる」という考え方です。環境省は、古物商許可は中古品等の売買を行うための許可であり、家庭の廃棄物を回収するための許可ではないと説明しています。
古物商許可は「買取・中古品売買」に関係する許可
古物商許可は、簡単にいうと中古品などの売買や交換を事業として行う際に関係する許可です。
古物営業を営むには公安委員会の許可が必要で、「古物」には一度使用された物品などが含まれます。
例えば、ブランド品や貴金属、時計、家具、家電、カメラ、楽器、工具、骨董品などを査定し、中古品として買い取って再販売するケースです。
ここで大事なのが、「買い取ること」と「捨てるものを回収すること」は同じではないという点です。
同じタンスでも「買取」と「処分」では意味が違う
例えば、自宅にもう使わないタンスがあるとします。
一つ目は、
「このタンスには中古品として価値があるので500円で買い取ります」
というケースです。
業者が商品として価値を認め、買い取ったうえで再販売やリユースにつなげる。これは古物としての取引です。
一方、
「このタンスは要らないので、5,000円を払うから捨ててください」
というケースでは、不要になったものを廃棄物として処理してもらうことになります。
利用者から見れば、どちらも最終的に「家からタンスがなくなる」ので同じように感じます。
しかし、法律上の考え方は同じではありません。
そのため、不要品回収を考える際には、買取と廃棄物の回収を分けて考えることが重要になります。
産業廃棄物の許可があれば、家庭の不要品も回収できる?
これも間違えやすいポイントです。
「産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているなら、家庭の不要品も運べるのでは?」
と思うかもしれません。
しかし環境省は、家庭の廃棄物を回収するためには、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要であり、産業廃棄物処理業の許可だけでは家庭の廃棄物を回収できないと案内しています。
東京都環境局も、産業廃棄物収集運搬業や古物商の許可番号を広告に載せることで、あたかも家庭ごみを回収できる許可を持っているように見せるケースについて注意喚起しています。
家庭から出たものが「廃棄物」になるとどうなる?
家庭にある家具や家電でも、中古品として売買・再使用されるものではなく、廃棄物として処分するものになれば、一般廃棄物のルールが関係してきます。
環境省は家庭の廃棄物について、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を持つ業者、または市区町村から委託を受けた業者による適正な処理を案内しています。
実際の収集方法や処分方法は自治体によって異なるため、住んでいる市区町村のルールを確認することも大切です。
「全部リユースするから許可はいらない」は?
ここは特に注意したいところです。
業者から、
「うちは全部リユース・リサイクルするので、一般廃棄物の許可は必要ありません」
と言われたら、それだけで判断しないようにしましょう。
東京都環境局は違法業者の例として、「リサイクルするから一般廃棄物収集運搬業の許可はいらない」と説明し、有料で家庭から不要になったものを回収するケースを挙げています。
東京都の案内では、その後にリサイクルする予定であっても、料金を受け取って家庭から不要になったものを廃棄物として回収する行為について注意を呼びかけています。
つまり、「リユース」「リサイクル」と言えば、どんなものでも自由に回収できるということではありません。
では、本当に中古品として買い取る場合は?
ここは逆に、混同しないことも重要です。
まだ商品価値がある家財を査定して、中古品として実際に買い取る取引まで、すべて「ごみ回収」になるわけではありません。
環境省も中古品については、古物商許可を持つ信用できるリユースショップなどへ買取を依頼するよう案内しています。
だからこそ、
「不要品回収という名前のサービスだから」
ではなく、
「その家財を実際にどのような扱いで引き取るのか」
を見ることが重要になります。
遺品整理や一軒家の片付けではどうする?
遺品整理や一軒家丸ごとの片付けになると、話はもう少し複雑です。
家の中には、買取できるものもあれば、まだ使用できるもの、資源として活用できるもの、そして最終的に処分しなければならないものも混在しています。
そのため家財の相談窓口®では、最初からすべてを「ごみ」として扱うのではなく、家財を仕分けすることを大切にしています。
買取できるもの → 査定・買取
国内で再利用できるもの → 国内リユース
海外で活用できるもの → 海外リユース
資源として活用できるもの → リサイクル
最終的に廃棄物となるもの → 地域のルールに従って適正処理
という考え方です。
家庭から出る一般廃棄物については、必要に応じて地域の一般廃棄物許可業者など適切な処理ルートと連携して対応します。
「許可番号がある」だけで判断しない
業者のホームページに許可番号が掲載されていること自体は、確認材料の一つになります。
ただ、そこで終わらずに、
「これは何の許可ですか?」
まで確認してみてください。
古物商許可なら中古品の売買等、産業廃棄物処理業の許可なら対象となる産業廃棄物の処理、一般廃棄物処理業の許可なら家庭ごみなど一般廃棄物の処理に関係します。
東京都環境局も、古物商や産業廃棄物収集運搬業の許可番号を掲載し、家庭のごみを回収できる許可があるように見せるケースについて注意を促しています。
業者を選ぶときは、この3つを聞いてみる
法律の名前を全部覚える必要はありません。
不要品回収や遺品整理を依頼するときは、
「買取できるものと処分するものは分けてもらえますか?」
「買取・リユースできなかったものは、その後どうなりますか?」
「一般廃棄物になるものは、どのようなルートで処理しますか?」
この3点を確認してみると分かりやすいです。
「許可を持っています」という説明だけではなく、何の許可で何を行い、最終的な廃棄物を誰が処理するのかまで説明してもらえるかを見ると、業者選びの判断材料になります。
なぜ無許可の回収が問題になるのか
環境省は、無許可の廃棄物回収業者へ家庭の廃棄物を引き渡した場合、適正に処理されたか確認できないとして注意を呼びかけています。
実際に過去には、不法投棄、不適正処理、不適正な管理による火災、高額な処理料金の請求などの事例が報告されています。
環境省が行った不要品回収業者の実態調査でも、回収した物品を不法投棄した疑いで業者が逮捕された事案が報告されています。
だから業者を選ぶ際には、「安い」「すぐ来てくれる」だけでなく、その後の処理方法まで説明できるかも確認したいところです。
家財の相談窓口®が「仕分け」を重視する理由
不要品回収や遺品整理は、単純に家の中から物をなくせば終わり、という仕事ではありません。
まだ価値が残っている家財もありますし、国内では売りにくくても海外で再利用できるものもあります。一方で、どうしても適正な処分が必要になるものもあります。
そのため家財の相談窓口®では、
買取できるもの・リユースできるもの・リサイクルできるもの・適正処理が必要なもの
をできる限り分けて考えています。
捨てる前に価値を確認して、使えるものは次の人へつなぐ。
そして廃棄物となるものについては、地域のルールに従って適切な処理ルートへつなげる。
家財整理では、この考え方が大切です。
まとめ|見るべきなのは「許可取得済み」の先
不要品回収業者のホームページに「許可取得済み」と書かれていても、そこで安心して終わりではありません。
古物商許可・産業廃棄物処理業の許可・一般廃棄物処理業の許可では、それぞれ役割が異なります。
特に家庭から出る廃棄物について、環境省は、市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託が必要であり、古物商や産業廃棄物処理業の許可だけでは回収できないと案内しています。
業者を選ぶときは、
「何の許可を持っているのか」
だけでなく、
「回収した家財は、その後どこへ行くのか」
まで確認してみてください。
買取、リユース、リサイクル、そして適正処理。それぞれの行き先をきちんと説明してくれるかどうかも、業者選びの大切な判断材料になります。
家財の相談窓口®では、不要品回収・遺品整理・出張買取などについて、家財の価値を確認しながら、できる限り捨てる量を減らす方法をご提案しています。

